海外ニート氏に対する批判について

こういうやつらは日本から出て行けばいいんだ
上の増田さんの記事は、日本の労働環境や企業体質に対して痛烈な批判を展開している海外ニート氏及び氏の意見に同調する人々を批判している記事である。

最初に言っておくと、私はこの増田さんの意見には賛同しないものである。
海外ニート氏のブログは、私もRSSリーダーに登録している。その記事は、内容に賛同できるものではなくとも、色々考えさせられるものが多い。

ところで、増田さんは

自分の価値観だけで、自分がやってきた仕事の範囲内だけで、その中だけのものを批判するならあー狭い了見だなぁってことで済むのだけど、この手の記事は日本そのものを馬鹿にしている気がする。

とあるが、私は海外ニート氏が「日本そのもの」をバカにしているわけではないと考える。というよりは、ブコメでも書いたが、「日本の企業体質」ないし「労働のありかた」を批判しているのである。そして、増田さんが、誇るべき日本人の美徳であるとする、「器用さ」「真面目さ」
については、実は海外ニート氏も賞賛しているのである。例えば以下の記事。
http://kusoshigoto.blog121.fc2.com/blog-entry-295.html

勤勉さ、気配り、思いやり、親切心など、確かに日本人の良さ、美徳ってのはたくさんあるけど、もう仕事に関してだけは日本人ヤメるくらいじゃないと、どうにも変わらないってのは間違いなさそうだなw。

ここにおいては、「勤勉さ、気配り、思いやり、親切心」を、「美徳」としている。しかしながら、そうした「美徳」につけこまれて、劣悪な労働を押し付けられるという点について、問題視している。
あと、

日本にもっと誇りを持って欲しいと思う。こんなに平和で文化も素晴らしい国なんて他にあるのか?

とあるが、平和も文化も、人々の余裕なしでは発展しないものと考える。様々な文化的活動には、余裕が必要なのだ。朝早く出て夜遅く帰ってくるような人が、どれだけの文化的活動ができるだろう?また平和についても同じだ。我が国の、そして世界の平和を守るためには、一人一人が常に、世の中の様々なことにアンテナを張っておく必要がある。そして、平和を乱すような動きに関しては、絶えず警戒し、時には声を上げなければいけない。はたしてこのようなことは、労働に一日の大半を費やすような人々にとっては、容易だろうか?

増田さんが「日本人の美徳」として賞賛しているものは、私もまた良いものであるように思える。しかしながら、それらを守るためには、今のままの日本で本当によいのか、ということも、考えるべきであると思う。