ローゼンメイデン TALE29「ドールとマスター」感想(ネタバレ注意)

月一回の定番、ローゼンメイデンの感想。
例によって、ネタバレ注意。

大方の予想通り、蒼星石が毎晩出かけていたのは、前のマスターである結菱の家(薔薇屋敷)であった。
その主、結菱一葉は病院に運ばれたそうで、もうそこには居なかった。

わざわざ薔薇を手入れしに屋敷に行ったり、ローザミスティカ水銀燈に返さなければならないことを気にしていたり、蒼星石は律儀な子だなぁ。私と結婚してほしいw。

結菱の薔薇屋敷の場面が終わった後は、朝の桜田家の場面。この場面は、特に翠星石好きな人にとっては、読む価値のあるものであろう。

「生地の何層目あたりがうまいです?」とか、なかなか答えるのが難儀な質問だねw

食事が終わった後、双子は台所でお菓子作りをしながら話をするが、その場面もなかなか見所がある。

翠星石は、蒼星石がこれ以上痛みや苦しみを被ることは嫌だから戦いを引き受けたいのけれども、結局は、戦いの肩代わりはできないのだという。それはそのとおりだろうね。けれども、戦いそのものを引き受けることは出来無いにしても、同盟者となることは可能だと思う。同盟者が居ると居ないとでは、苦しさは異なってくる。

そして、JUMが成長してほしいというのは、翠星石のまぎれもない本音であると思うが、JUMにはずっと側にいて欲しいというのも正直なところであろう。「優しい子…けれど困った子」という真紅の言葉は、まさにそのとおりだと思う。
ドールズは、われわれ人間が、母親より生まれて成長しそして老いて死ぬのとは、多くの面で異なっている。しかるに、喜怒哀楽の感情をもち、ものを考えることができ、誰かを好きになることができるという、人間と同様な面をもある。半ば人間と似ているだけに、差異も際立つ。これは非常に辛いところだ*1

それはそうと、「鍋を見てて」と言われてただ鍋を見てるだけの蒼い子が萌えるw

最後に、めぐが入院している病院の場面になる。彼女の病気は快方に向かい、来週退院するとのこと。
しかし、めぐがあの人形*2を持っていたのはどういう経緯があってのことなのだろうか。そして水銀燈は今何をやっているのか、次の展開が実に気になることである。

*1:Rozen Maiden新装版7巻82-85頁の翠星石の言葉は、このことを表していると思う。

*2:まかなかった世界のJUMが、ドールズと別れた後に「小道具」として斉藤さんから返された、雪華綺晶に似た人形。YJ版原作第4巻142頁参照。