表現の浄化

http://www.asahi.com/politics/update/0704/TKY200907030623.html
最初に述べておくと、このエントリーは、「アニメの殿堂」そのものとはあまりというかほとんど関係ない。
上の記事のブコメid:umetenさんやid:FTTHさんは、

umeten おいおい、これから官民総力を挙げて規制と自粛で潰しにかかるジャンルじゃないのか?それとも「文科省認定健全アニメ」が世界的に売れるとでも?児ポ法改正で表現規制しながら「日本の売れ筋になる」とは勉強不足。 2009/07/04

FTTH 「人知れず世界から評価されているアニメ、マンガなど無形文化的なものは、これからの日本の売れ筋になる。生活の糧を確保してくれる分野だ」 せめて表現規制引っ込めてから云おうな。

という風に、表現の自由を制限するような行動をとりながら、他方でアニメ等を重要な産業と位置づけ、これを保護しようとしていることの矛盾を指摘している。私も同感であるし、同じようなブコメをした。

この件で、うろ覚えだが、とある規制推進の人が、「アニメを輸出するために、世界の基準に合わせて、エロい表現は無くすべし!」*1と言っていたのを思い出した。

おそらくは、このようなことを言う人は、アニメから性的な表現を、完全に切り離せると思っているのだろう*2。作品のもつ魅力を残しつつ、アレな部分を取り除く。こうすれば、世界に堂々と売ることが出来る。

でも世の中、うまい話はないわけで。作品の持つ魅力が、性的なものと、分かちがたく結びついているような作品は、多いとおもうんだけどね*3。そういう中で、無理やり「浄化」すれば、「文科省認定健全アニメ」しか残らなくなるし、当然売れなくなる。これじゃ本末転倒だよね。

*1:純化した書き方だが

*2:自分はオタク文化の味方で、決して敵視しているわけではないんだよ、というエクスキューズとも思えたが

*3:私の好きな、「ローゼンメイデン」もその一つだと思う。