とあるエロゲーメーカーが、自社サイトへの海外からのアクセスを遮断したことについて
minori、海外からの自社サイトへのアクセスを遮断 その1 - Suzacu Late Show
http://d.hatena.ne.jp/Dryad/20090627/1246110235
すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。
世界人権宣言(仮訳文)、第19条(強調は引用者)
まず前提として、「情報は、それに触れたい人全てに対して開かれているべき」と私は考える。なので、今回件のメーカーがやったような措置は、良くないものだと思っている。
けれども、メーカーの声明にあるような、「外国人の方にも協力してもらいたい」という思いは、十分に理解できる。そして、この件に関して、外国人の「フリーライド」*1を非難する声もある。それも理解できなくも無い。
しかしそれでもなお、この措置は良くないと、私は思う。
フランクリンの言葉に、次のようなものがある。好きな言葉なので、何度も引用してるが、もう一度引用したい。
基本的な自由と引き換えに、わずかばかりの一時的な安全を手に入れようとする者は、自由にも安全にも値しない。
私たちが戦っている相手、例えば日本ユニセフであれイクオリティナウであれ、他人の自由を犠牲にして、安全を享受しようとする人たちである。
きつい言い方をするが、自戒も込めて叫びたい。自分達がそういうものになってしまってどうする?!
だから、件のメーカーはなるだけ早くこの措置をやめてほしい。そしてこの件で外国人を叩いている人*2に関して言えば、真の敵をしっかりと見極めてほしいと思う。
余談になるが、この件について考えていて、私は一つの歴史的事件を連想した。第二インターナショナルの崩壊である。これは、国際主義がナショナリズムに勝てなかった好例であろう。
私は漠然と、二次元が人々を結びつける力というものに、期待していた節がある。それだけに、「国境」という、三次元の世界のもっとも忌々しい要素の一つとは、二次元の世界ですら無関係でなかったという現実を突きつけられ、なんともいえない気分になっている。ユートピア主義者だとか、非現実的だとか言われれば、返す言葉は無いけど。
ナショナリズムを甘く見ていた。
おそらくは、私の誕生日と同じ日に殺された、あの人も、似たような思いだっただろう。いや、勝手な想像だけどw