憲法記念日に寄せて

今日は憲法記念日である。この日に寄せて、いつもながらとりとめのない読みにくい文章ではあるが、思うところを書きたい。

憲法記念日といえば、左右の諸党派が、憲法改正の是非について議論する*1ことが、恒例行事となっている感がある。

一般に左派と呼ばれている連中は、憲法9条を大事にし、これを守ろうとする。最近では、反貧困との絡みで、25条にも目が向けられているが*2。他方右派の連中は、9条が、日本の外交にかかわる諸問題を解決する妨げになっているとして、これを変えようとする。

私はここで、どちらが正しいかを論じるつもりはない。ただ、多くの人たちが、9条にばかり目を向けていることには、正直残念に思う。


真に平和な社会とは、単に戦争がないということではない。

衣食住が完全に保障されること、すなわち、栄養バランスの取れた食事*3をとることができること、雨露がしのげるだけでなく、夏冬でも快適に過ごせるようなところに住むことができること、見苦しくない格好ができること、これは平和な社会の最低条件である。今はこれを享受する権利ですら、与えられていない人が少なくない。これは問題である。

そして、この「最低条件」さえクリアすればそれでよいのかといえば、否である。

言いたい事を言い、書きたいことを書き、描きたいことを描き、信じたいものを信じる。

こういったことが出来てこそ、真に平和で豊かな社会が達成される。


かのフランクリン・ローズヴェルトもまた、同じことを言った。「4つの自由」という表現で。

第1は、世界のあらゆる場所での言論と表現の自由である。
第2は、世界のあらゆる場所での、個人がそれぞれの方法で神を礼拝する自由である。
第3は、欠乏からの自由である。それは、世界的な観点で言えば、あらゆる国に、その住民のための健全で平和時の生活を保証するような経済的合意を意味する。
第4は、世界のいかなる場所でも、恐怖からの自由である。それは世界的な観点で言えば、いかなる隣国に対しても、物理的な侵略行為を犯すことがないような形で、世界中の軍備を削減することを意味する。
http://aboutusa.japan.usembassy.gov/j/jusaj-majordocs-freedoms.html

同じことを言うが、この4つ全てを達成してこそ、人々は幸せに生きられる。どれかが一つかけてもダメなのだ。

だから、憲法の、9条ばかり注目するのは、いかがなものかと思う。もっとも先述のように、現在においては、反貧困との絡みで、25条にも注目が集まっている。これは良い傾向である。

その流れに乗って、私も言おう。「第21条を守れ」と。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

この一年間は、かねてから続いていた表現の自由に対する攻撃が、激しさを増した時であったが、そういった時だからこそ、憲法に立ち返ってみる必要があると、私は考える。


このゴールデンウィーク期間中は、日本各地で、数多くの同人誌即売会が開催される。私も、明日のローゼンオンリーに行くべく、今夜家を出る。

そういったイベントに参加する全ての人に、考えてもらえたら嬉しいな、ということがある。それは、「私達は、なぜ、同人誌を作ったり、売ったり買ったり出来るのだろうか。なぜ、この場が存在することが可能なのだろうか。」ということだ。

このようなことを、一人一人が考えることは、お決まりの集会に参加することより、はるかに大切なことである。

少々長くなったけど、最後に一言。たとえ憲法が変わったとしても、憲法の保障する諸権利が、これまでと変わらず、国民のもとにあることを、一国民として願いたい。

*1:もっとも、両派が話し合うというよりも、それぞれが集会を開いたりする、という方が多そうなのであるが

*2:例えば、こういう風に。私は、残念ながら、この時間帯はバスの中なので、この番組を見ることは出来ないが

*3:もやしばっかりとか、スパゲティばっかりとかではなく!