世襲制

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090320/stt0903202020000-n1.htm

しかし人類にとって問題なのは、世襲制の馬鹿らしさよりは、むしろその弊害のほうだ。もし世襲制が善良で懸命な一族を保証するなら、それは神聖な権威の印を帯びることだろう。しかし、それはばか者悪党不徳漢に門戸を開いているので、圧制の本質を持っている。自分は支配するために、他の者は服従するために生まれたと考える者はまもなく高慢になる。またその行動する世界は一般社会とはまるで違っているので、世間が本当になにを求めているかを知る機会はほとんどない。したがって統治の座につくときには、全領土内でしばしば最も無知で不適当な人間になっている。
トマス・ペイン『コモン・センス』(太字部分は原文ではイタリック、訳文では傍点)

我々の生きる社会は、ペインが批判したような社会よりは「民主的」になったように思える。だがそれでもなお、彼の指摘する世襲制の弊害は、一定の説得力を持っているのではないか*1

*1:このことは、小泉や管の息子が証明している。もっとも、世襲でなくとも、政治家には「ばか者」「悪党」「不徳漢」は事欠かないのであるが。